お口の健康と、人生の幸福感

このコラムではこれまで、歯周疾患やう蝕(虫歯)の予防法、お口の健康や機能を保つための運動、アンチエイジングとの関係などについてご紹介してきました 。
今回は、「お口の健康と、人生の幸福感の関係性」についての研究結果をご紹介します 。
データで見る「お口の状態」と「健康寿命」
お口の状態と健康寿命には、相関関係があることがわかっています 。
お口の健康を害する主な原因は、「う蝕(虫歯)」と「歯周疾患」です 。この二つが歯を失う原因となり、全身の健康に様々な不調を引き起こすことにもつながります 。
1. 歯が少なくても、「治療をしている人」は幸福感が高い
ある調査(グラフ1)では、歯が20本未満(0〜19本)の場合でも、「歯を補う治療をしている」人の方が「していない」人よりも、「幸福へのなりやすさ」が高いという結果が出ています 。

2. お口が不健康だと、「閉じこもり」になりやすい
別の調査(グラフ2)では、歯が19本以下で「入れ歯なし」の人は、「20本以上ある人」に比べて「閉じこもり」になるやすさが1.8倍にもなることが示されています 。

お口の状態が悪いと、以下のような悪循環に陥り、全身の健康へ影響が及ぶと考えられます 。
- (A)身体的な問題
- 「噛めない」「飲み込めない」ために食事量が減ったり、偏食になったりする 。
- お口に不調や不安がある 。
- 結果として、「低栄養」や「誤嚥性肺炎」などを引き起こす 。
- (B)社会的な問題
- 「歯がない」など見た目の問題や、発音・口臭の問題がある 。
- 会話や食事を避けがちになる 。
- 結果として、「友人との交流の減少」や「社会参加の減少」につながる 。
こうしたお口の問題が積み重なることで、「要介護状態」や「認知症の発症」、「死亡リスクの増加」にも影響が及ぶ可能性があります 。

8020達成でなくても、あきらめないで
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」をご存じの方も多いと思います 。
この運動が始まった当初(1993年)の達成率は10.9%でしたが、徐々に達成率は上がり、2016年には51.2%、2022年(令和4年)の調査では51.6%となりました 。

歯科医師会のコンクールなどを通じても、皆さんの口腔内環境は年々よくなってきていると感じます 。
しかし、「自分は8020には程遠い」とがっかりしたり、あきらめたりしないでください 。
最近の研究では、たとえ残存歯が20本に満たなくても、歯の喪失後に「しかるべき治療と機能修復」(欠損補綴の修復、インプラントなど)を受け、その後の予防処置やセルフケアを続けている方々は、健康状態が良く、社会参加や人との交流も活発で、幸福感が高いことがわかってきています 。
これは、20本歯が残っていても、お手入れが悪く虫歯や歯周病を放置している人に比べると、全身状態が良く、健康寿命も延びているという結果です 。
治療の継続と予防が大切です
ぜひ、ご自身の口腔の機能や健康に関心を持ってください 。 そして、少しの不調でも早めに受診し、継続した治療や予防のために歯科クリニックを利用してみてください 。
「歯医者さんは痛いことをされるようで不安」「敷居が高い」といったマイナスイメージを取り払っていただくきっかけとなれば幸いです 。
三重県津市でお口のお悩み・入れ歯相談なら田中歯科
「お口の健康は、心と体の調律へとつながる。」と田中歯科は考えております。皆さまの健康を根本から支える歯科医療を提供し、お口の健康を整えることが、心の調律にもつながる。
このように「病は気からを科学する」それが私たちのミッションです。

医院名
田中歯科
院長
田中伸子
所属学会・資格情報
・日本抗加齢医学会(JAAM) 専門医
・日本アンチエイジング歯科学会(JSDA) 認定医
・JSDA ペリオフードコーディネーター
・JSDA サプリメントアドバイザー
・JSDA ビューティーアドバイザー
・日本歯周病学会 正会員
住所
三重県津市大門15-16
アクセス
バス:津駅前より京口立町で下車し徒歩7分 お車:津駅より車で約5分(専用駐車場あり)
ご予約はこちら
059-228-6444


