部分入れ歯(義歯)をお使いの方へ 歯磨き・お口のお手入れの注意点

歯磨きの「本当の目的」をご存じですか?

「歯磨き」と聞くと、歯をピカピカに磨き上げること(研磨)をイメージしがちです 。 しかし、歯磨きの最も大切な目的は、お口の中、特に歯の表面についた「プラーク(口腔内細菌のかたまり)」をできる限り取り除くことです 。プラークは虫歯や歯周病の主な原因であり、これを取り除くことがお口の健康を守ることにつながります 。

なぜ「部分入れ歯」だとお手入れが難しい?

実は、歯がすべてそろっているお口よりも、歯が欠損している(歯を失っている)お口の方が、プラークの除去は難しくなります 。
部分入れ歯には、お口の中に固定し安定させるための「維持装置」がついています 。これは主に、歯が欠損した部分の隣の歯に取り付けられており、「クラスプ」「精密アタッチメント」「テレスコープクラウン」といった種類があります 。
この維持装置がかかっている歯は、歯自体につくプラークだけでなく、維持装置に付着するプラークの影響も受けてしまいます 。そのため、よりきめ細やかなお手入れが必要になるのです 。

特に注意! プラークがつきやすいところ

特にプラークがつきやすく、注意が必要なのは以下の3つのポイントです。

    1.義歯の維持装置 「クラスプ」や「精密アタッチメント」など、義歯を支える金具や装置の周り(図の黄色い部分)は、プラークがつきやすく取れにくい、特に気をつけたい部分です 。 また、「歯・歯肉と義歯とのさかいめ」もプラークがたまりやすいため要注意です 。

    【(フリーペーパー)メディサポ2024年夏号より】

    2.複雑な装置 「テレスコープクラウン」や「リンガルバー」など、構造が複雑な装置を装着している場合、入り組んだ歯並びと同様に、お手入れが難しくなります 。義歯に組み込まれた維持装置にもプラークは付きますので、忘れないよう丁寧に清掃してください 。

    【(フリーペーパー)メディサポ2024年夏号より】

    3.単独植立歯(孤立歯) 両隣の歯がなく、一本だけ残っている歯(孤立歯)は、通常の歯ブラシだけではプラークを取り除くことが非常に困難です 。

    プラークコントロール実践のコツ

    義歯本体の清掃は「洗浄剤+ブラシ」で 義歯のお手入れは、流水で食べカスを流し、洗浄剤に浸けるだけでは不十分です 。 義歯の洗浄剤は、プラーク表面の細菌の繁殖を抑えることはできますが、こびりついたプラークの「バイオフィルム」を溶かしたり剥がしたりすることは期待できません 。 必ず「義歯専用のブラシ」を使い、維持装置の細部まで丁寧に掃除してください 。

    ご自身の歯と義歯のブラシは分ける 義歯本体を清掃するブラシと、ご自身の歯を清掃する歯ブラシは、別々に用意しましょう 。ブラシの消耗(傷み)によるプラーク除去率の低下を防ぐことができます 。

    義歯安定剤の「残り」に注意 市販の義歯安定剤をお使いの場合、粘着性のあるゼリー状の安定剤が歯や歯肉にこびりつくと、そこにプラークがつきやすくなります 。頻繁に取り除くように注意しましょう 。

    補助的な清掃用具を使いましょう 孤立歯 や、歯が欠損した部分の隣の面 など、歯ブラシが届きにくい場所には、「ワンタフトブラシ(シングルブラシ)」 や「インプラントフロス」 といった補助的な清掃用具を日常的に使うことをお勧めします。 ワンタフトブラシなどを使う場合は、鏡を見ながらゆっくり行うと良いでしょう 。

    【(フリーペーパー)メディサポ2024年夏号より】
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    「強すぎる力」は逆効果 歯ブラシを強く当てすぎると、歯ぐき(歯の周囲歯肉)を傷つけたり、かえって汚れが取れなかったりすることがあります 。不安な点は、主治医や担当の歯科衛生士によく相談してみてください 。

    さいごに

    維持装置がかかっている歯は、それ以上歯を失うことを防ぐ「防波堤」としての大切な役割があります 。

    歯を失った原因には、プラークコントロールの問題だけでなく、生活習慣や、虫歯・歯周病のなりやすさなど、様々な理由が関係しています 。ご自身の歯とお口の健康に、より一層の関心を持っていただき、健康な人生を送っていただきたいと思います 。

    三重県津市でお口のお悩み・入れ歯相談なら田中歯科

    「お口の健康は、心と体の調律へとつながる。」と田中歯科は考えております。皆さまの健康を根本から支える歯科医療を提供し、お口の健康を整えることが、心の調律にもつながる。
    このように「病は気からを科学する」それが私たちのミッションです。


    医院名

    田中歯科

    院長

    田中伸子

    所属学会・資格情報

    ・日本抗加齢医学会(JAAM) 専門医 
    ・日本アンチエイジング歯科学会(JSDA) 認定医
    ・JSDA ペリオフードコーディネーター
    ・JSDA サプリメントアドバイザー
    ・JSDA ビューティーアドバイザー
    ・日本歯周病学会 正会員

    住所

    三重県津市大門15-16

    アクセス

    バス:津駅前より京口立町で下車し徒歩7分 お車:津駅より車で約5分(専用駐車場あり)

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