1日5分で血糖値が激変!?歯科医師が教える「お口の健康」と「血糖値」の意外な関係

皆さま、こんにちは。田中歯科・院長の田中伸子です。

日々の診療で皆さまのお口を拝見していると、ある強い結びつきを肌で実感することが多々あります。それは、「歯周病の状態が悪化している方は、長期的な血糖値の平均点も高くなりやすい」という事実です。

お口は全身の入り口であり、その健康状態は生活習慣病と切り離すことができません。

先日、YouTube番組で消化器外科医の石黒成治先生と、さとう式リンパケアの考案者である佐藤青児先生の対談が公開されました。佐藤先生はもともと歯科医師であり、実は「あごの関節の不調や、無意識の食いしばり」の治療から、この素晴らしいセルフケアを確立された方なのです。

今回は歯科医師の視点から、動画で紹介された「血糖値を下げるケア」がなぜ効果的なのか、そしてお口の「長引く火事(炎症)」が全身をサビつかせて血糖値を上げてしまう仕組みについて、分かりやすくお話しします。

1日5分で血糖値が下がる!?話題の「さとう式リンパケア」

動画の中で、石黒先生と佐藤先生は、日本人の4人に1人が血糖値のコントロールに問題を抱えている現状に警鐘を鳴らしています。特に恐ろしいのが、無理な食事制限によって筋肉量が急激に落ちて痩せてしまう状態のリスクです。

そこで佐藤先生が提案しているのが、「筋肉をゆるめることで、体全体のめぐりを良くする」というアプローチです。

【「足指ワイワイ」ケアの驚きの効果】

食後に「足指ワイワイ」ケアを行うことで、食後の血糖値の急上昇を抑えられた例があります。特に、血糖値が少し高めの「糖尿病の一歩手前」の方に高い効果が見られました。

(ご注意:血糖値が非常に高い数値の場合は、まず適切な医療機関を受診してください)

【なぜ「足指ワイワイ」で血糖値が下がるのか?】

鍵となるのは、筋肉にある「糖分を取り込むためのドア」の働きです。

筋肉をゆるめると、血液中の糖分を細胞内に取り込むための特別なドアがしっかりと開きます。体の中で最大の「糖の貯蔵庫」である筋肉のドアが開くことで、血液中の余分な糖がスムーズに回収されるのです。

お口の「慢性炎症」が血糖値を上げる真犯人?

いつまでも若々しく健康でいるための医学において、老化の二大原因は「体のコゲ(糖化)」と「体のサビ(酸化)」と言われています。そして、この「サビ」を急加速させてしまうのが、お口の中の炎症です。

お口の中には呼吸や刺激によって作られる「体をサビさせる原因となる物質」があります。本来はバイ菌と戦ってくれるヒーローなのですが、歯周病などの炎症が長く続くと、過剰に増えすぎて「自分自身の体を傷つける悪役」に変わってしまいます。

歯周病が進行している場合、その炎症が起きている全体の面積は、なんと「手のひら一枚分」にもなります。お口の中で、常に小さなボヤ(火事)が起きているような状態です。

【お口の炎症が全身に及ぶワーストシナリオ】

お口の炎症(ボヤ騒ぎ):

歯周病菌やその毒素が、血管を通って全身に流れます。

全身がサビつく:

悪役になった物質が、体全体の細胞をサビつかせます。

血糖値の上昇:

サビついた細胞は、血糖値を下げるホルモンの命令をうまく受け取れなくなり、血糖値が上がってしまいます。

さらに悪化:

高血糖が体をさらにコゲさせ、それがまたお口の炎症を悪化させるという、最悪の悪循環に陥るのです。

【この悪循環を断ち切るために】

この悪循環を断ち切るには、特定の成分に頼るのではなく、適度な運動やバランスのよい食生活など、全身の炎症を抑える生活習慣を整えることが大切です。

なかでも、適度な運動と「オメガ3脂肪酸(サバやイワシなどの青魚の油)」の組み合わせについては、炎症を抑える方向に働く可能性が研究されています。

【エビデンス(根拠となる研究)】

 2025年に『Scientific Reports』誌で発表されたRibeiroらの研究(Physical exercise alone or combined with omega-3 modulates apical periodontitis induced in rats)において、「適度な運動」と「オメガ3脂肪酸」を組み合わせることで、体内の免疫細胞を修復モードへと切り替え、歯の根元の炎症や骨が溶けるのを劇的に抑える相乗効果があることが実証されています。

実践!食後の血糖値を抑える「足指ワイワイ」ケア

動画で紹介された、めぐりを良くするセルフケアを実践してみましょう。食後すぐから1時間以内のタイミングで行うのがベストです。

やり方はこちら【https://youtu.be/aHJ1iCRAmTk?si=bJxJJfKoFLxBbEpM&t=569

「噛み合わせ」と「姿勢」が血糖値対策を支える

さとう式リンパケアの原点が「食いしばり」の改善にあるように、あご周りの緊張をほぐすことは、全身の強張りを解いて血液の循環をスムーズにすることに直結します。

さらに歯科医師として特にお伝えしたいのが、「歯が抜けたまま放置するリスク」です。

お口が不健康で歯を失ったままにしておくと、噛み合わせが崩れて姿勢が悪くなるだけでなく、無意識のうちに「噛まずに流し込める柔らかいもの(うどんやパンなど、糖質中心の食事)」ばかりを選ぶようになってしまいます。これが、さらなる血糖値の悪化を招く原因になるのです。

たとえ今、自分の歯が少なくなっていても、入れ歯やインプラントなどの治療を受けて「しっかり噛める状態」を整えている方は、家に閉じこもりがちになるリスクが低く、幸福感も格段に高くなることが研究で分かっています。

【エビデンス(根拠となる研究)】 ・閉じこもりリスクについて: 東京科学大学などの研究グループによる調査(BMC Oral Health誌、2016年)より。「歯が19本以下で、入れ歯などの治療をしていない人」は、20本以上歯がある人に比べて、家に閉じこもりがちになるリスクが1.8倍になることが示されています。

・幸福感について: 東北大学などの研究グループによる「日本老年学的評価研究(JAGES)」の調査(The Journal of Prosthetic Dentistry誌、2024年)より。歯が20本未満であっても、入れ歯などで適切に「噛む機能」を補っている人は、治療をしていない人に比べて「主観的な幸福感」が有意に高いことが証明されています。

10年後の自分へ贈る「お口と体の調律」

血糖値対策は、単なる厳しい食事制限だけではありません。

お口の炎症という「火事」を消し止め、筋肉をゆるめて本来の「めぐり」を取り戻す。この両輪が揃って初めて、細胞レベルでの健やかな若返りが始まります。

私たちは、体に現れる不調を、これまでの生活習慣を見直すための「GIFT(贈り物)」だと考えています。

G(Gift): 不調という名の、体からの贈り物

I(Inspiration): 健康の大切さへの気づき

F(Future): 10年後の明るい未来

T(Treasure): 生涯続く健康という宝物

お口と体を整え、心まで心地よく「調律(チューニング)」していく。そんな前向きな健康づくりを、私たちと一緒に始めてみませんか?

三重県津市でお口のお悩み・入れ歯相談なら田中歯科

「お口の健康は、心と体の調律へとつながる。」と田中歯科は考えております。皆さまの健康を根本から支える歯科医療を提供し、お口の健康を整えることが、心の調律にもつながる。
このように「病は気からを科学する」それが私たちのミッションです。

医院名

田中歯科

院長

田中伸子

所属学会・資格情報

・日本抗加齢医学会(JAAM) 専門医 
・日本アンチエイジング歯科学会(JSDA) 認定医
・JSDA ペリオフードコーディネーター
・JSDA サプリメントアドバイザー
・JSDA ビューティーアドバイザー
・日本歯周病学会 正会員
・米国エレベイズヘルスメソッド修士課程修了 
・米国エレベイズヘルス法 認定ヘルスコーチ

住所

三重県津市大門15-16

アクセス

バス:津駅前より京口立町で下車し徒歩7分 お車:津駅より車で約5分(専用駐車場あり)

ご予約はこちら

059-228-6444