私に合うのは?歯科医師が教える歯磨き剤の選び方【後編】

歯磨き剤は何を重視して選んでいますか?

ドラッグストアなどで商品を選ぶとき、多くの方が成分や価格、期待できる効果を比較して、自分に合ったものを探しているのではないでしょうか。例えばスキンケア用品であれば、保湿効果や使用感、香りを吟味して選ぶように、歯磨き剤も目的を持って選ぶことが大切です。

歯磨き剤も同じように、たくさんの効能が店内のポップにうたわれていたり、パッケージに書いてあります。今回は、皆さんの歯磨き剤に求める効果と、それぞれの効果に対する有効成分を説明してまいります。

歯磨き剤の選択基準は6つ

前回のおらさいになりますが、歯磨き剤に期待される効果・目的は、主に次の6つに分けられます。

1.虫歯予防効果

2.歯周病予防、緩和効果

3.口臭防止

4.歯の色を白く保つ

5.リフレッシュ、リラックス効果

6.歯の知覚過敏改善

口臭防止

「口臭予防」をうたっている歯磨き剤も多くありますが、まず大切なのは口臭の根本的な原因を知ることです。口臭の原因は大きく2つに分けられます。

①体の内部(内臓)が原因のもの

消化不良による消化管からの発酵臭、肝機能低下によるアンモニア臭、糖尿病によるアセトン臭などです。

②お口の中が原因のもの

お口の中に原因がある口臭は主に「舌苔(ぜったい)」や「プラーク(歯垢)」から発生します。これらは細菌やお口の細胞の生まれ変わりによる産生物などが原因のため、毎日の歯磨きでこれらをしっかり取り除く「プラークコントロール」が正しくできていることが、何よりも大切です。

ミントやハーブといった香味成分は口臭を一時的に隠す「マスキング」にはなりますが、根本的な解決にはなりません。歯磨き剤を選ぶ際は口臭の原因菌にもアプローチできる「歯周病予防効果」のある成分を含んでいるかどうかも確かめてみましょう。

口臭ケアで最も大切なのは、歯磨き剤に頼ることではありません。

以下の3つの基本を実践することが本当の口臭予防につながります。

「口腔内コントロール」をきちんと行う (毎日の歯磨きで口臭の原因となるプラークをしっかり除去する)

歯科医院で「プラークコントロール」の正しい指導を受ける (ご自身に合ったセルフケアの方法を身につける)

定期的なプロケアでセルフケアを管理 (日々のケアでは落としきれない汚れを除去してもらう)

歯の色を白く保つ

ホワイトニング効果をうたっている歯磨き剤はネットでも本当に多く見掛けられていますが、歯科医院での薬剤を用いたホワイトニングと白さを良くするメカニズムが全く違うため、歯磨き剤だけでは同様の効果は期待できないと思います。

また歯の表面を傷つける研磨剤を配合した割合を惹起するタイプは知覚過敏を惹き起こしたり、歯肉ポケット内に流入して炎症を起こすリスクがあるので気を付けた方がよいでしょう。

【(フリーペーパー)メディサポ2023年春号より】

安全かつ効果の見込まれるホワイトニング成分は、ポリリン酸ナトリウムです。ほかにもポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが複数の着色(お茶など食品による着色、喫煙色のたばこのヤニ)の予防に有効です。

加齢による歯肉の後退など歯の表面のざらつきに対しては、歯面の微細な傷を埋める働きがあるハイドロキシアパタイトも有効です。輸入品であり、歯科医院で使用される過酸化水素が微量ですが配合されているものもあり、効果は期待できるようです。

ただし製品によって含有量が違うので、気になるようでしたら歯科医院でご相談されるのが最良です。

【(フリーペーパー)メディサポ2023年春号より】


リフレッシュ効果とリラックス効果

主に歯磨き剤の香り使い心地(歯磨き剤の性状、ペーストやリキッドタイプか、発泡タイプかなど)によって好みが分かれると思います。歯磨きは生活のなかで気分をリセットしたりアクセントをつける時間でもあるので、楽しくしていたいくことが重要です。せっかく効果のある歯磨き剤を選んだとしても、香りやテクスチャーがあまり気に入らないと気分が上がりませんよね。

【(フリーペーパー)メディサポ2023年春号より】

歯の知覚過敏改善

知覚過敏は象牙質表面の象牙質が露出したり、エナメル質に微細な穴が開いていることで刺激に神経が伝わりやすくなり、痛みを感じる神経を興奮することによって起こります。

硝酸カリウム乳酸アルミニウムが含まれていれば知覚過敏予防効果が期待できます。

ホワイトニング効果も意識しますが、ポリリン酸ナトリウムを歯面にコーティングして強化するので効果が期待できます。

またリン酸三カルシウム(歯の構成成分)、キシリトール(歯の再石灰化促進による歯の表面修復)の3つが包含されていると、知覚過敏をケアする効果が期待できます。

【(フリーペーパー)メディサポ2023年春号より】

三重県津市でお口のお悩み・入れ歯相談なら田中歯科

「お口の健康は、心と体の調律へとつながる。」と田中歯科は考えております。皆さまの健康を根本から支える歯科医療を提供し、お口の健康を整えることが、心の調律にもつながる。
このように「病は気からを科学する」それが私たちのミッションです。


医院名

田中歯科

院長

田中伸子

所属学会・資格情報

・日本抗加齢医学会(JAAM) 専門医 
・日本アンチエイジング歯科学会(JSDA) 認定医
・JSDA ペリオフードコーディネーター
・JSDA サプリメントアドバイザー
・JSDA ビューティーアドバイザー
・日本歯周病学会 正会員

住所

三重県津市大門15-16

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